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「復興」が終わった時が最大の試練- 長純一・石巻市立病院開成仮診療所所長に聞く◆Vol.2

スペシャル企画 2014年3月8日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――今、地域包括ケアシステムの構築が進み、総合診療専門医も制度化されるなど、タイミング的にやりがいのある時期かと思います。 国は、「地域を診る」必要性を強調しています。これは、「地域で診る」能力とは、違った能力です。地域診断といったスキルのレベルを言っているのではなく、超高齢社会の社会保障の問題として捉えることが必要だと僕は思うのです。いわゆる総合診療医としてのスキルがトップレベルではなくても、地域で医療を展開している人はいます。この辺りを今後、理解する必要があるでしょう。 「石巻では、日本が将来必要とすることを先取りした取り組みを行っている。興味がある方にはぜひ来ていただきたい」(長純一氏)。 ――総合診療医としての臨床的スキルも必要ですが、それだけではない。 海外を見ると、看護、介護関係の人が、社会保障に影響力を持っているケースが多い。医師が携わるのは急性期の医療で、在宅など慢性期の医療は他の職種が中心となってやっています。しかし、日本では、超高齢社会の医療と介護、福祉のバランスが極めて悪く、医療に多くを囲い込んでいる。この現実を受け止め、キュアとケアのバランスをどうするか、医療は...