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外科の「異質な魅力」を伝えたい - 天野篤・順天堂大学心臓血管外科教授に聞く◆Vol.2

インタビュー 2014年3月12日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――先生は、ご自身のことを「普通の外科医」と言われていましたが、やはり「普通」ではないかと。常に「滅私」の姿勢で、医療や教育に取り組まれていますが、その情熱やモチベーションを保ち続ける原動力は何なのでしょうか。 「医師という職業に就かせてもらった」という思いです。国立か、私学かで異なりますが、医師1人を養成するのに、数千万円から億単位に近い公費がかかっている。それで国試の合格率が低かったり、医道審議会で審議されるような医師が出てくるようなことは、やはりあってはいけない。 また、例えば地方大学の医学部などには、教員に自学出身者が少なく、地域や母校に対するロイヤリティーがあまり高くはない大学もある。教員としてのモチベーションも、臨床家としてのモチベーションも上がらない。もちろん、非常に歴史のある地域で、教員も、学生も高い志を持っている大学も確かにありますが、そうではない大学には、「免許だけを取りに来た」と言う学生もいる。 「外科医は、忙しくて、大変そうだけど、何か不良に近づきたくなる、といった異質な魅力を取り戻すことが必要」(天野篤氏)。 ――なぜ医師を目指したのかとも、言いたくなる。 「...