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メスを置いたその後、それは未定 - 天野篤・順天堂大学心臓血管外科教授に聞く◆Vol.3

インタビュー 2014年3月19日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――では、『熱く生きる』において、書き残したことはありますか。あるいは一番訴えたいことを改めてお聞かせください。 書き残したというか、この本に入っていないことの一つは、ダイバーシティー、多様性。自分がこれからどのように変化していくか。今は、一心臓外科医、医者でしょう。果たしてこのままずっと行っていいのか、行くのか……。 天野篤氏は、今の医療界、医療制度には改革すべき事柄が多々あるものの、第一線の医師ではなく、リタイアした医師たちが議論を主導していることを問題視、この点を変えるべきと主張する。 ――先生ご自身のことでしょうか。 そう。どこかで、心臓外科ができなくなる。年を取って、外科医としてのキャリアが終わった時、“本業”ができなくなった時点で、ライセンスをそのまま使って医師としての仕事をするのか。 ――教育職としての仕事はできるかと。 それも分からない。それを潔しとするのか、というところがあります。実はその部分を詳しくは書いていない。それは僕自身もまだ分かっていないから。 ――例えば、先生が尊敬する一人として挙げられている、榊原仟先生は女子医大を辞められた後、榊原記念病院を開設された。...