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南相馬での経験を癌治療につなげたい - 坪倉正治・東大医科学研究所研究員に聞く◆Vol.1

スペシャル企画 2014年3月10日 (月)  聞き手・まとめ:池田宏之(m3.com編集部)

2011年5月から福島県南相馬市を中心に支援に入り、住民に対するホールボディーカウンター(WBC)による地域住民の内部被曝の検査を続けてきた東京大学医科学研究所研究員の坪倉正治氏。被災地で働くことになったきっかけや、キャリア、今後の医療の展望について聞いた。 ――東日本大震災発生時は、どこで働かれていたのですか。 東京大学医学部を卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)で研修して、帝京大学血液内科を経て、震災発生当初は都立駒込病院で働いていました。2011年4月に、東大に戻る予定でした。専門医を取るくらいの年齢でした。結局、震災の支援をしながら、血液内科の専門医は取得しました。 ――なぜ福島の支援に行かれたのですか。 しっかりした理由があったわけではありませんが、「何か役に立ちたい」と思って、現地に行ったのがきっかけです。現地の支援で、南相馬市総合立病院で(副院長を務めていた)及川友好氏に出会いました。(福島第1原発の事故が起きて)5月ごろになると、放射線のリスクへの対応が必要になってきました。6月の終わりくらいに、WBCが病院に届きましたが、扱い方を知らない人ばかりで、「誰がやるのか」と...