1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. ゼネラリストと専門医、両方の側面が必要- 坪倉正治・東大医科学研究所研究員に聞く◆Vol.2

ゼネラリストと専門医、両方の側面が必要- 坪倉正治・東大医科学研究所研究員に聞く◆Vol.2

スペシャル企画 2014年3月11日 (火)  聞き手・まとめ:池田宏之(m3.com編集部)

――「待ち仕事」から外にアプローチするというのは、公衆衛生的な医療に近い考え方だと思いますが、南相馬に行くようになってから、考えるようになったことですか。 そうです。専門医療や高度先進医療は、確かに必要ですが、全員が目指すべきではないと考えるようになりました。高度な医療でしか助からない患者が多いのは事実ですが、被災地で高齢者を診療していると、「健康教育」や「予防」「コミュニケーション」といったものが大事だと感じています。「心筋梗塞をどう助けるか」だけでなく、「心筋梗塞になる前に病院としてできること」を考えないといけないと思います。医療界からは「高血圧をコントロールできないのは、その人の生活の問題で本人が悪い」「予防は行政の仕事」と考える人が多いと思いますが、いわゆる「医療」以外にも、医師が注力して、関わらないといけない部分があるように感じています。 東京大学医科学研究所研究員の坪倉正治氏は、周りを巻き込んで、「自分の仕事」として認識してもらう重要性を強調した。 ――「医師でなく、保健師や看護師の仕事では」という反論が聞こえてきそうですが。 保健師や看護師が担うのは、もちろん良い考えだと...