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「長生きしたい」と思わせるのも「医療」 - 高橋祥・岩手県立高田病院医師に聞く◆Vol.2

スペシャル企画 2014年3月13日 (木)  聞き手・まとめ:池田宏之(m3.com編集部)

――「農園プロジェクト」は、いわゆる”医療”とは違うアプローチに感じます。医療に対する考え方は変わりましたか。 結局、農園プロジェクトは、”生活不活発病”を防ぐために外に出てもらうためのきっかけ作りでした。畑でも盆踊りでも、何でも良かったと思っていて、「健康になるための活動なら、これも医師の仕事」と考えるようになりました。公衆衛生的な考え方と言えると思います。 岩手県立高田病院の内科・消化器科の高橋祥医師は、地域への派遣機能を「臨床研修病院」の必須とするアイデアも示した。 ――次は、被災地での経験を生かして、公衆衛生の方向に進むのでしょうか。 現時点では、何か決めたわけではありませんし、10年、20年後についても、何もイメージしていません。ただ、北海道にいた時期は消化器癌の早期発見と治療、症状緩和に努めていましたが、対象疾患が異なる被災地では、生活習慣の指導だけでなく、健康への意識を変える方向を考えるようになりました。「塩分を減らしましょう」「運動しましょう」と言うだけでなく、「なぜ長生きしたいのか」「なぜ健康でいたいのか」を考えてもらうことです。生き残ったことを後悔しているような被災...