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「大野病院判決と医師法21条」「裁判所の証拠提出命令」

オピニオン 2014年3月12日 (水)  井上清成(弁護士)、山崎祥光(弁護士・医師)

3月8日、鹿児島市で鹿児島県病院厚生年金基金主催の「医療を守る法律研究会講演会」が開かれた(『第三者機関へのスイッチ押すのは管理者』を参照)。第1部の基調講演、第2部のシンポジストの講演の一部をお届けする。 ◆大野病院判決と医師法21条 井上清成(井上法律事務所、弁護士) 1.医師逮捕に至った原因-第三者事故調 福島県立大野病院事件で医師が逮捕された原因は、“医療事故調”の誤った運用であった。(1)院外(第三者)委員会の開催、(2)外部委員の選任、(3)独自の医学的評価(再発防止策)を記載した調査報告書、(4)調査報告書の公表、といったプロセスによったことにある。 大野病院事件を教訓とするならば、(1)院内委員会の開催、(2)原則として内部委員の人選、(3)遺族交付用には独自の医学的評価や再発防止策を調査報告書に書かないこと、(4)調査報告書の非公表、という運用をすべきであろう。今回の医療法改正による“医療事故調”(法案の該当部分は、PDF:2.9MB)は、院内調査中心主義を採用していて、(1)を満たしているが、なお中央第三者機関(医療事故調査・支援センター)に不安が残されているし、(...