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データ不正解明できず、大学にも苦言

レポート 2014年3月28日 (金)  池田宏之(m3.com編集部)

降圧剤「ディオバン」の論文不正問題の対応策を検討するための厚生労働省の「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」(委員長:森嶌昭夫・名古屋大学名誉教授)は、3月27日の第5回会議で、報告書をまとめた。大学や研究者に対しては、今回の臨床研究自体が「医学的研究課題の解明が目的でなかった」「臨床研究の実施体制が脆弱であった」「大学ごとに調査スピードの違った」など手厳しく批判。ノバルティスファーマ社についても、個人ではなく社として臨床研究に関わっていたとし、本社および日本法人のガバナンスが機能していない点を問題視した(資料は、厚労省のホームページに掲載)。 もっとも、最大の焦点だった臨床研究のデータ操作を誰が何の目的で実施したのかなどは明らかにできず、委員からは、事実解明が不十分であったとの指摘が出た。 厚労省では、今秋をメドに臨床研究の透明性確保に関する法制度の検討を予定している。その検討会のほか、医薬品の広告やプロモーションの問題についての研究班を立ち上げて、ルール作りを進めていく予定。 この日は、日本製薬工業協会の代表者も出席した上で、今後「臨床研究支援は、奨学寄附金でなく契約で...