1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 保険診療を潰す、「選択療養」導入に断固反対

保険診療を潰す、「選択療養」導入に断固反対

オピニオン 2014年4月7日 (月)  桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

3月27日、規制改革会議は保険外併用療養(=混合診療)の第3のカテゴリーとして、「選択療養」を正式に提案した。患者の自己責任で、保険外と保険診療の併用を、「何でも」認める、この提案は、不当な患者負担の上乗せ、安全性・有効性が保証されない医療提供など、患者を翻弄し不幸にさせるとともに、医療秩序の破壊・混乱を来し、保険診療を潰す危険性が高い。戦後、社会保障制度審議会「勧告」以降、営々とこの国が築いてきた皆保険制度を転覆させるこの企てに、われわれは断固反対する。また規制改革会議のこの妄挙に医療界は、総力をあげ鉄槌を下すよう広く呼びかける。 田村厚労大臣は即座に慎重姿勢を表明し、その見識を示した。しかし、規制改革会議が最終答申に選択療養を盛り込んだ場合、厚労省としても無視はできず、何らかの対応を強いられることになる。 「選択療養」の提案は、療養、薬剤等を個別リスト化せず、保険導入の評価を前提としない。医師による必要性とリスクの説明を書面(「保険外診療についての診療計画書」)で行い、患者の書面承諾で、保険外併用療養(=混合診療)を認める、としている。実施医療機関の限定はしていない。 つまり、全て...