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RCTに限界あり、NCD活用の時代へ

レポート 2014年4月4日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長

4月3日の第114回日本外科学会定期学術集会の特別企画「NCDの利活用―専門医制度、医療水準評価のこれから―」で、慶應義塾大学外科教授の北川雄光氏は、食道癌の胸腔鏡手術と開胸手術との比較を例に挙げ、「RCTやハイボリュームセンターのメタ解析では出てこない結果が、NCDから読み取ることができる」と指摘、RCTと実臨床は時に結果が異なることがあり、限定された施設での限られた症例に基づくエビデンスには限界があると問題提起した。 NCDは、日本外科学会をはじめ、計10学会で組織する一般社団法人National Clinical Databaseが構築する手術症例のデータベース(『NCD に2万人超の外科医登録、260万症例』を参照)。2011年1月にスタートし、2014年3月28日現在、4105施設が参加、約414万症例が登録済みだ。 NCDの第一の目的は、外科関連の専門医の在り方を考えるための共通基盤の構築。消化器外科、心臓血管外科、小児外科などの専門医では、既に専門医取得に必要な症例は、NCDへの登録を条件としている。研修施設の症例数や治療成績も、NCDで把握することが可能だ。第二が、医療...