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安全性無視、患者不在の「選択療養」が隠れ蓑

オピニオン 2014年5月8日 (木)  桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

規制改革会議が提案した、患者の同意、自己責任で混合診療を「何でも」できるとする「選択療養」が、難病患者団体、保険者三団体、日本医師会、マスコミと怨嗟の的となっている。このような中、保険外併用療養(=混合診療)は産業競争力会議の提案を軸に着地点が探られはじめている。しかし、その内容は再生医療の先進医療への迅速適応、費用対効果の低い先進医療の恒久化、選定療養のメニュー増加、治験の対象外の患者への未承認薬の使用など4つを柱とした保険外併用療養の「大幅拡大」「大転換」である。これは患者の選択肢拡大を盾に、安全性・有効性を担保した保険診療の拡充を反故にし、自費負担を前提にした経済格差による医療格差を助長していく。われわれは皆保険制度を守るため、乱暴で荒唐無稽な「選択療養」撤回を求め、保険外併用療養の「大幅拡大」に断固反対する。 規制改革会議は「選択療養」の旗を依然、降ろしていない。4月16日、規制改革会議は、「選択療養」の手続き等を提案。これに重ね、直後に開催された経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議で、首相より保険外併用療養の拡大に関し、「制度を大きく変える」と指示が出され衝撃が走った。...