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無過失補償制度を全診療科に-藤川謙二・日本医師会常任理事に聞く◆Vol.3

インタビュー 2014年6月2日 (月)  聞き手・まとめ:池田宏之(m3.com編集部)

――医師処分を巡って気になるところは、医療過誤による訴訟があります。日医としての現状の取り組みはどうでしょうか。 日医では、独自の医賠責を持っています。非会員の人は、学会などの保険に入っていると思いますが、日医の医賠責は、プラスαのサービスが違っています。議論の俎上に上がった場合は、30人くらいの医師や弁護士で、裁判前の事前処置が終わるくらいまで調べ、有責、無責の有無も判断します。有責なら謝罪するように求めますし、保険金も出ますので、早くトラブルが解決します。現場にとって一番のストレスになるのは、訴えが認められるかどうか分からない裁判をすることで、その点では日医の保険は充実していると考えています。 実際に、日医の会費の半分は医賠責の運用に充てられます。日医を嫌う人がいるのも分かりますが、そこを乗り越えて入ってもらう方が、メリットあると考えています。日医は組織力強化に力を入れていますが、単に団体の力を付けるためでなく、所属してもらう結果として、倫理や資質などの構成員の質が上がるのが大事なわけです。政治的圧力が強くなるだけでは意味がありません。 日医の藤川謙二常任理事は、訴訟に備えた、手術...