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「死産」が調査・報告の対象に!これでいいのか?

オピニオン 2014年6月7日 (土)  桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

参議院で審議中の、医療・介護総合確保法案(「総合法案」)に、医療事故調査制度の創設が盛られている。この法案は、制度案の検討部会での整理と異なり、事後的に随所に作為が施されている。筆頭格は、医療事故の対象に、「死産」が突如、挿入された点である。また制度骨格も、先行する産科医療補償制度を下絵とし、酷似しており、紛争を助長する危険性をはらんでいる。紆余曲折を経ての制度創設に、一部で期待もあるが、法案の拙速な成立をせずに、いったん廃案、修正とすることを強く求める。 法案の医療事故調査制度は、医療事故の際に、(1)医療機関での院内事故調査と遺族への説明、(2)第三者機関への発生時報告と院内調査結果の報告と、(1)(2)とも義務付け、また(3)遺族から第三者機関への調査依頼を可能とし、第三者機関が医療機関への調査権限を持つものである。 この医療事故の対象は、医療行為による「患者」の予期せぬ「死亡」とされ、検討部会で議論されてきた。これが、昨年11月8日の社保審医療部会で、突如、その対象に「死産」の文言が追加された資料が出され、何の議論もなく今法案に盛り込まれている。当会の照会に、厚労省は「法文に落...