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メディア、医療界にも問題多々 - 勝俣範之・日本医大武蔵小杉病院腫瘍内科教授に聞く◆Vol.4

インタビュー 2014年6月25日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――では、患者さんはどこに行けば正しい情報が得られるのでしょうか。 まだまだ患者向けの情報がありそうで少ない。圧倒的に不足しています。本屋さんに行くと、僕の本と近藤先生の本が並んでいたり、「がんに勝つ 免疫療法」「がんに勝つ 食事療法」といった、“インチキ本”もたくさんあります。まともな本がほとんどない。免疫療法にもほとほと困っていますけどね。 『「抗がん剤は効かない」の罪』を上梓後、医師からは「よく書いてくれた」と言われるという。 ――免疫療法は、一時期メディアにも取り上げられたりしました。 エビデンスはないですが、今でも患者さんたちは、藁をもすがる思いでやるのです。インチキな免疫療法を規制していない当局も悪いと言えば、悪い。僕のところに来た患者さんの中には、免疫療法に約1200万円もかけた人もいました。自由診療だから、言い値でやっているのです。あちこちに転移しているので、どこの病院に行っても、「治りません」と言われ、困っていたところ、免疫療法のクリニックの先生が、「私が治しましょう」と言ったわけです。「がんを治します」と言った時点で、詐欺でしょう。 ――国立がん研究センターにも、が...