1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「宿直中の診療」手当支給、大学の6割にすぎず

「宿直中の診療」手当支給、大学の6割にすぎず

レポート 2014年6月20日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

全国医学部長病院長会議は6月19日、2013年4月実施の「大学病院経営実態調査」の結果を公表した。2012年度診療報酬改定を受け、大学病院の経営は改善し、医師への各種手当を支給する病院は増えているものの、「宿直中の診療に対する時間外勤務手当」を支払っているのは、60.2%にとどまることが明らかになった。 前回調査(2010年10月)の45.8%よりは増加しているが、支給内容を見ると、緊急対応や手術などの診療行為が発生した場合に限り、「超過勤務手当」もしくは「1回当たりの定額の手当」を支払う病院が大半だ。 全国医学部長病院長会議の「経営実態・労働ワーキンググループ」座長の海野信也氏(北里大学病院病院長)。 奈良県県立奈良病院の2人の産婦人科医が、時間外手当の支払いを求めた訴訟の2013年の最高裁判決では、2人の医師の「宿直」の実態は時間外労働であり、診療行為を実施した時間だけでなく、待機時間を含めて、法定の割増賃金(超過勤務手当)を支払うよう判断している(『「宿直扱いは違法」は当然の判決 - 藤本卓司・弁護士に聞く』を参照)。今回の調査は、大学病院の「宿直」も、実態は大半は時間外労働と想...