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医療界のパワハラ、隠された社会問題か - 岩城穣・弁護士に聞く◆Vol.3

インタビュー 2014年7月4日 (金)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――過失相殺も、控訴審の焦点になるとのことです。 今年の3月24日、“電通事件”の最高裁判決と同じ日付なので、よく覚えているのですが、“東芝事件”に対する最高裁判決が、重要な指摘をしています。 “東芝事件”は、うつ病になり、休職期間が満了して解雇された女性が、解雇無効を訴えた裁判です。2011年2月の東京高裁判決は、この女性は、精神科を2回受診しているのですが、病院に通院している事実を会社に言わなかったこと、またうつ病発症から10年くらい経過してもいまだに治っていないことから、「精神的に脆弱であった」という理由で、2割減額しています。 岩城穣氏は、ブログを書いているが、本判決へのアクセスが多く、その反響の大きさに驚いたという。 最高裁はこの高裁判決を否定して、医療機関受診の申告について、「使用者は、必ずしも労働者からの申告がなくても、安全配慮義務を果たすべき」とし、「精神科受診など一般的には不利な事実については、正直に言うことは期待できないので、申告がなかったことをもって、減額するのはおかしい」と判断。また「脆弱性」については、「同種の業務に従事する労働者の個性の多様さとして、通常想定...