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キャリア形成、タイミングは「冬」◆Vol.2

スペシャル企画 2014年7月15日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

永田氏は初期研修2年目に、大学時代にESSの活動を通して知り合った1学年上の他大学の医師と結婚。ご主人の実家である東京に、医師3年目からは拠点を移した。研修先は、産婦人科ではなく、日本医科大学の救急救命センターだ。 「レジデントという意味でも、産婦人科という意味でも、最も冬の時代を経験した」と語る永田知映氏。 産婦人科から転科したわけではありません。研修医時代に、母体死亡を経験したのが、一つの契機です。他院で発症し、重症化した状態で救急搬送されてきた妊婦さんでした。当時は、今のように産科救急が注目されていなかった。産婦人科における全身管理は、羊水塞栓症や妊娠高血圧症候群など産婦人科の病態に基づいた管理が基本だった。それはそれで大切なのですが、私の中で、「救急や麻酔科で学ぶ全身管理とは違う」と、少し納得がいかない思いがあった。救急的な視点で、産科疾患を診ることができる、全身管理ができる産婦人科医になりたかったのです。 日本医大の救急救命センターの名前は、テレビなどで観て知っていました。そこで、「今、九大の産婦人科にいるのですけれど、1年くらいそちらで勉強していいですか」といきなり電話をし...