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提供体制と専門医、別次元の議論◆Vol.4

スペシャル企画 2014年8月1日 (金)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――総合診療医については、先ほど数よりも質という話が出ましたが、若手医師が総合診療専門医を目指すようにするためには、どのような条件整備が必要でしょうか。何らかのインセンティブは必要とお考えですか。 丸山 5月の岡山の日本プライマリ・ケア連合学会学術大会の会長講演で、私は、「数と場の議論を外してほしい」とお話しました(『総合診療医、「数と場の議論は外して」、丸山理事長』を参照)。数と場の議論をすると、専門医制度とは別の議論になってしまうからです。数、ひいてはインセティブの議論は、従来型の領域別専門医の医師にとっても、また総合診療専門医を目指す医師にとっても不利益をもたらす。専門医制度は、学問に近い領域であり、やはり質を第一に考えるべきなのです。 新制度が始まる2017年度以降は、なるべくいずれかの基本領域の専門医を取得するよう、自然に変わってくるでしょう。各基本領域の専門医に対するインセンティブは、別のところで議論すべきです。この点を専門医制度の問題にしてしまうので、利益相反のような問題が生じてきて、専門医としての将来像を描くことを難しくしているのだと思います。 池田 メディアからは必ず...