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期待と不安を抱き、家庭医療へ◆Vol.3

スペシャル企画 2014年8月7日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

家庭医を知るきっかけとなったのが、京大医学部の1年先輩が、ロッカールームに貼った北海道家庭医療学センターのエクスターンシップのポスターだった。 ポスターには、「家庭医療の体験実習にようこそ」とあり、「患者さんを中心に診る」「家族の背景も診る」といった言葉が書いてあった。それを見て非常に驚いたのです。「これは何だ」「家庭医療」という分野は何なのかと。総合内科とも少し違う。さまざまな疾患を考え、鑑別診断を進めていく点では同じでも、総合内科では、家庭や地域という言葉はあまり出てきません。 「寒く、雪も降る北海道で生活するのに、大丈夫かな、という思いはあったが、それ以上に家庭医療に巡り合えた思いの方が強かった」(草場鉄周氏)。、 僕は「心」に関心を持っていたので、心療内科や精神科などにもかなり見学に行っていた。けれども、「心だけ」を診るのは、違うと思った。日常的に来る患者さんにおける、「心」への関わり方をしたいと考えていたのです。僕が考えていたことをトータルに含めた「家庭医療」が、一つの分野として確立していることを知ったわけです。ただ、新しい分野なので、不安もありました。 僕と一緒に勉強してい...