1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 日本の医療が世界標準に貢献-森臨太郎・コクラン共同計画日本支部長に聞く◆Vol.2

日本の医療が世界標準に貢献-森臨太郎・コクラン共同計画日本支部長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2014年8月6日 (水)  聞き手・まとめ:池田宏之(m3.com編集部)

――2014年5月にコクラン共同計画の日本支部ができました。日本にコクラン共同計画が根付く意義を教えてください。 大きく3つの意義があると思います。1つ目は、本当の意味で、「医療者が最も客観的事実を踏まえ、患者と共有しながら、医療提供できる新しい医療文化が実現していく」ためのドライバーにすることです。日本では、若干EBMが誤解されている側面がありますが、診療行為の意思決定プロセスが透明化、客観化が狙いで、患者がもう少し主体的に参加していくという意味でもあります。医療者の意思決定が、職人的気質や権威主義から脱却するように願っています。世代によって、受け取り方の差はあるかもしれませんが。 2つ目は、日本における臨床研究の質の向上です。多数の論文をメタ解析するコクランシステマティック・レビューを書くために、デザインも含めて、他の人の臨床研究を評価することになるので、自身の研究の改善点がはっきり分かるようになります。網羅的に見ることができるようになると、医薬品や医療機器メーカーが(都合が悪くて)公表していない可能性のある点への疑念も出てきます。 また、コクラン共同計画は、メーカーから、直接の資...