コクラン浸透でMR不要の時代も-森臨太郎・コクラン共同計画日本支部長に聞く◆Vol.3
インタビュー
2014年8月13日 (水)
聞き手・まとめ:池田宏之(m3.com編集部)
――コクランの導入で、臨床研究の質が上がるとの目的があると言いますが、医薬品などの臨床研究では、メーカーに不都合なものが出版されない問題があります。対応できるのでしょうか。 規模が小さくて結果が(メーカーにとって)良くないものが出版されない可能性がありますが、論文の結果のマッピングで分かるケースがあります。縦軸に研究規模、横軸に結果の良しあしを取ったものを、コクランでは「漏斗図」と呼んでいます。この漏斗図は、研究規模が大きければ、結果が中央によって、研究規模が小さくなるほど、結果にばらつきが出ることになりますので、結果的に山のような形にシンメトリーに分布するはずです。 ところが、実際のマッピングでは「研究規模が小さくて、結果が悪い」部分のデータが集中的に存在しないケースがあり、「この部分は公表されていない」という推測が立ちますし、その部分が公表された場合、メタ解析の結果にどれくらい影響するかシミュレーションもできます。他にも、論文の読み込みで、問題を発見できることもあります。 ――公開されていないデータへの対応は、他にはありますか。 もう1つは、コクランとして展開している「all tr...
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