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二度の危機「最強の後ろ盾を失う」◆Vol.8

スペシャル企画 2014年8月26日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

教育も経営も、軌道に乗りつつある矢先、2006年4月から、北海道家庭医療学センター所長の葛西龍樹氏が、福島県立医科大学の教授として赴任した。 葛西先生が福島県立医科大学の教授として赴任されたことは、大きな出来事でした。僕自身は、カナダのウエスタンオンタリオ大学の家庭医療のマスターコースで、教育について学ぶ傍ら、研修医の教育にも実際に携わり、本輪西という土地にも慣れ、患者さんとの信頼関係も築け、「いい感じだな」だと思っていた頃のことです。 「2008年に、新たに医療法人を設立し、理事長に就任したことが、これまでの人生の中で、一番大きな出来事」と語る、草場鉄周氏。 やはり大学というフィールドは大きく、葛西先生にちょうどそのチャンスがめぐってきたということです。しかし、職員はショックを受け、その時にもちろん、各自が「自分の身の振り方をどうするのか」を考えないわけではなかった。僕自身も、さすがに迷いましたね。 北海道家庭医療学センターは、日鋼記念病院を主体とした、医療法人カレスアライアンス理事長(当時)の西村昭男先生がオーナーでした。西村先生が、この地で家庭医を育てようという発想で、葛西先生を...