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医療機関の「損税」とは?- 1から分かる消費税問題◆Vol.1

レポート 2014年8月14日 (木)  池田宏之(m3.com編集部)

「医療機関では、控除対象外消費税が発生していて、経営に影響を与えている」。こうよく指摘されている。ただ、「実際に消費税の問題がどうなっているのか、理解している医療者は多くない」との声も根強い。消費税率は2014年8月から8%になり、2015年10月には10%への引き上げが予定されている。医療界では、政府への要望活動を見据えて、9月上旬にも政府への要望のために意見を一本化する動きが続く中、改めて消費税の問題について、今までの経緯と今後の展望を見据えた記事を随時掲載する。 患者から徴収できない消費税を負担 国民皆保険に基づく公的医療保険による医療費は、「医療に消費の概念はなじまない」との主張が通り、1989年の消費税導入当初から、「非課税」だ。したがって、保険診療に関する収入は、消費税率と関係なく、政府が決める診療報酬に基づいた金額となっている。 一方で、医療機関は、消費税分が上乗せされた医療機器や医薬品、医療材料などを、購入している。単純化するため、公的医療保険以外の診療を一切やっていない医療機関を想定すると、仮に2億円分の仕入れがある場合、8%分、1600万円の消費税を医療機関は仕入れ...