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専門医のレベル、科による相違あり◆Vol.3

スペシャル企画 2014年8月29日 (金)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

嘉山 「医師にとっての専門医制度改革の意味」について、お話させてください。私自身は、病気を基本的なところから、もう一度見直す機会につながることを期待しています。 日本脳神経外科学会理事長の嘉山孝正氏は、専門医制度改革が、確かな「すそ野」を持つ医師の養成につながることを期待する(写真:的野弘路)。 例えば、がん領域で言えば、がん薬物療法専門医を持って肺癌の治療をしていても、内科学会や呼吸器学会の専門医を持っていない医師がいます。がん薬物療法専門医の受験資格に、内科学会等の専門医取得が含まれていないからです。抗がん剤のことは、非常に詳しく知っていても、肺炎などにうまく対応できない。あるいは、転移した際にどんな症状が出るかについてもあまり理解していない医師もいます。 専門医制度の改革が進めば、内科全般や呼吸器のことが分かった上で、肺がんの治療を行う専門医の養成につながります。このように医師の原点に戻ることができる改革を、私は期待しています。 ――サブスペシャリティの専門医は、19の基本領域のいずれかの専門医取得が前提になるのでしょうか。 池田 基本領域を研修して、サブスペシャリティに進むのが...