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専門医改革で医師の偏在解消へ◆Vol.4

スペシャル企画 2014年9月5日 (金)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

嘉山 私は中医協委員を以前、務めていましたが、専門医制度の改革は、医療提供体制とも大きく関係してくると思います。医療のある程度の集約化は仕方がないと思うのです。脳神経外科では、研修の基幹病院は、年間300例以上の脳外科手術を行っていることが条件です。今まで日本の医療は、病院を自由に作り、その地域で医療を提供することが可能でした。「自由」と言えば、聞こえはいいですが、あまりにも「放埓」すぎたと思うのです。 それが今度の専門医制度で見直すことにより、医療提供体制と合致した形で、集約化せざるを得ません。先日、脳神経外科専門医を目指す、ある若い医師にヒアリングしたのですが、経験症例数が少なく、研修もほとんど受けていなかった。結局は、「受験資格なし」と判断したのですが、経験症例数は、自己申告なので、把握しにくい面があります。 日本外科学会理事長の國土典宏氏(左)と、日本脳神経外科学会理事長の嘉山孝正氏(右)。外科系専門医の場合、経験症例数が取得の条件になるので、専門医制度改革が進めば、結果論として、医師の偏在の解消につながると考えられる(写真:的野弘路)。 國土 外科専門医の場合には、NCD(N...