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「医師なら、臨床だけ」にあらず◆Vol.8

スペシャル企画 2014年10月2日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

日本医療機器開発機構(JOMDD)で最初に手掛けたのが、大動脈弁再建術時に使用する、サイザーセットだった。 内田毅彦氏は、「僕自身の経歴が、異色ではない時代が来ると思っている」と語り、医師のキャリアの多様化を予測する。 たまたま、僕がTWIns(東京女子医大と早稲田大学による医工融合研究教育拠点「東京女子医科大学・早稲田大学連携先端生命医科学研究教育施設」)に行ったときに、出会ったのが、尾崎先生です(東邦大学医療センター大橋病院心臓血管外科教授の尾崎重之氏)。尾崎先生は、大動脈弁狭窄症や大動脈弁閉鎖不全症に対する新しい治療法である、自己心膜による大動脈弁再建術を考案されました。人工弁を使う大動脈弁置換術とは異なり、患者さん自身の心膜を用いて治療する方法です。その際に、再建する弁の大きさと形を決める際に使う医療機器として、この春から販売を開始したのが「サイザーセット」です(日本医療機器開発機構のホームページを参照)。尾崎先生が発明したものを基に、弊社が研究開発を重ね、製品化したものです。自己組織を使うこの方法は、抗凝固薬を必要としない上に、人工弁も不要になるので経済効果的に優れている上、...