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国民会議の報告書、新自由主義の色濃く - 安達秀樹・京都府医師会副会長に聞く◆Vol.5

インタビュー 2014年10月1日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――先生が新自由主義と言われる安倍政権下で2013年夏、民主党政権から始まった社会保障制度改革国民会議の報告書がまとまりました。 国民会議の報告書の前文を正確に読むと問題がある。社会保障の負担の在り方には、「自助、共助、公助」があるが、公助が国家の公的予算。これはやむを得ない場合に使う。一方、国家財政という点から見れば、「自助と共助は、同じ」だと書いてある。「共助は、自助の一亜形にすぎない」と言うが、そうではないだろう。自助は自分のお金で支払うもので、共助が国民の連帯意識の一番の基本。 2014年7月30日の中医協総会。安達秀樹氏は、退任のあいさつで、「偏りや恣意性、過不足がないエビデンスに基づく議論」の必要性を訴えた(『安達中医協委員、退任であいさつ』を参照)。 これは、「自助、共助、公助」の概念解釈の変更。僕はそう解釈した。「これをさらっと書いた、権丈善一(慶應義塾大学商学部教授)も、ついに財務省に籠絡されたのか」という気もした。自民党は野党になってから、党綱領を変えて、新自由主義一本にした。民主党とは違って、政権担当が長かった政権だけに、非常に徹底していることの一つの表れとしてこ...