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「医療には限界あり」を国民の認識に - 安達秀樹・京都府医師会副会長に聞く◆Vol.6

インタビュー 2014年10月8日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――費用対効果評価の話ですが、例えば、今後、臨床試験が本格化するiPS細胞を使用した再生医療などは、非常に高額です。1人1000万円以上はかかるとも聞きました。 1人1000万円以上かかる医療は、今でもいくらでもあります。 「アベノミクスが失敗し、安倍政権が倒れた時に、みなさんがこの政権をどう評価し、どんな議論をするのだろうか」(安達秀樹氏) ――ただ、費用対効果評価の議論には、「人の命はお金に代えられない」といった反論もあります。 僕は地元の京都新聞に最近、混合診療の問題について、ものすごく平易に書いたのですが、それでも「難しい」と言われました。ただ、これは難しい問題ですが、奥は深く、議論は必要。 結局、僕が出した結論は、混合診療の是非は、今の医療保険制度の「共助」の負担の仕方、自分が支払った税金、つまり「公助」の投入の仕方、これらの点も含めて理解した上で、最終的には国民が判断すべきということ。我々医療者が、1人の国民としては言えるものの、医療者という専門的立場で「こうあるべきだ」と言えるわけではない。 中医協の議論として言えば、費用対効果評価について、厳正中立なデータを出して、増分...