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臨床研究の法制化、不可避 - 大津敦・国立がん研究センター早期・探索臨床研究センター長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2014年9月25日 (木)  池田宏之(m3.com編集部)

臨床研究の透明性確保に関する法制度などの新しいルールが、厚生労働省の「臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会」で進む一方、9月25日には、文部科学省で定めた研究不正に対応するための新ガイドラインについての、関係団体向けの説明会も始まった。医師主導臨床研究について、ガイドラインという自主的な取組でなく、ICH/GCP準拠の法制化を求める声がある中、研究数の減少などの問題点が指摘されている。法制化を主張する国立がん研究センター早期・探索臨床研究センターの大津敦センター長に法制化の重要性や、日本の臨床研究の問題点などについて聞いた(2014年7月29日にインタビュー。計3回の連載)。 ――日本の医師主導臨床研究は、ICH/GCPに準拠するなどの法整備がされないまま進んできました。最大の問題点は何ですか。 一番の問題は被験者保護が確立されていないことです。現時点では、未承認薬による研究や、適応拡大の研究は、現在、安全性の確認がされていなくても実施可能です。これは基本的人権の無視につながることであり、許されません。ヘルシンキ宣言でも、被験者保護の重要性がうたわれていて、先進国の多くで法制化され...