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“粗悪な製品”を作る日本で良いか - 大津敦・国立がん研究センター早期・探索臨床研究センター長に聞く◆Vol.3

インタビュー 2014年10月2日 (木)  池田宏之(m3.com編集部)

――ディオバンの研究は、デザインがそもそも海外の研究の“焼き直し”という指摘もありました。その点から、試験の実施を疑問視する声もあります。 海外デザインの焼き直しだから、ダメとはならないと思いますが、ただ、今はもうグローバルでの開発時代で、最初の試験の時点から、世界的に出遅れないようにグローバル研究に試験に参加して、プロトコルやデザインを合わせて実施して、承認されるような動きとなっている時代です。 かつては、日本だけでの後追い試験もありましたが、国際共同試験の中で、1000症例やっていたら、日本でも同じ症例数やらないと比較ができません。統計学的に有意差を出そうとすると、一定以上の症例数が必要になるわけです。数千症例でようやく有意差が出るような試験で、日本だけで数百症例でやっても、有意差が出すのは難しいわけで、誤った結論を出しかねません。そのような、国内独自の試験は、なかなか世界的に通用しないでしょう。 国際共同試験が重視されるのは、企業側の事情もあります。試験に長時間かかると、承認、販売が遅れ、製薬会社の利益が損なわれるからです。 大津氏は、品質の高さで評価される日本製品に対して、臨床...