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「遺伝子治療にも支援を」、再生医療盛り上がりで訴え

レポート 2014年10月7日 (火)  池田宏之(m3.com編集部)

国立成育医療センター研究所成育遺伝研究部部長の小野寺雅史氏が10月7日、メディア向けに、小児領域の難病における遺伝子治療の実態について講演した。小野寺氏は、遺伝子治療が遺伝子導入に用いるウイルスベクターの改善で治療実績が上がりながらも、ベクターの入手が容易ではないなどの問題点を指摘した。再生医療がiPS細胞やES細胞の研究の進展で注目を集める中、「今は再生医療メーンが否めない」としながらも、遺伝子治療にも各方面から支援や体制作りが重要である点を指摘した。 遺伝子書き換え研究も進む 遺伝子治療では、問題のある遺伝子配列に対して、ウイルスベクターを使って、遺伝子に新しい配列を入れ込む手法が主流となっている。2000年代ごろまでは、導入箇所周辺が活性化して腫瘍化しやすい傾向のあった「レトロウイルスベクター」が使われていたが、最近では、HIVウイルスと同様に周辺が活性化しづらい「レンチウイルスベクター」が用いられていて、小児における免疫不全症や血液系疾患、神経系疾患などで、治療実績が上がりつつある。 欧米では、遺伝子の導入でなく、問題の遺伝子を、直接書き換える治療法も、マウスから人間に応用され...