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「自分で考えないナース」から脱却を

オピニオン 2014年10月10日 (金)  岩田健太郎(神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授)

医者には新しい知性が必要だと説いている。 たくさん勉強して「物知り」になるのが知性ではない。1950年の医学知識は倍加するのに50年かかっていた。後数年経つと医学知識は数ヶ月で倍加する時代になる。知っている知識よりも知らない知識の方が圧倒的に大きくなる。「これもあれも知っている」ではなく、「自分はここを知らない」という自覚、「無知の知」が大事である。 しかし、最近思うのだがこの「無知の知」の欠如は医者よりもむしろナースにおいて深刻である。 もともと看護の世界は封建的で行動主義的だ。そこには「なぜ」と問う態度はない。シニアの言われた通りに忠実に職務をこなすのが「よい」新人ナースだと言われる。「どうしてそうしなければいけないんですか」と質問するようなナースは「うるさいやつだ」と疎まれる。 医者の世界も相当封建的だが、近年では若手医師の躍動が著しく、この流れに変化の兆しが見られる。先輩医師が(知らないから)教えてくれない感染症診療、集中治療、臨床推論、EBMを学ぼうと一所懸命「どうしてだろう」ともがいている。勉強会は活況を呈している。が、同じようなムーブメントは看護の世界では希有である。若手...