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RCTの限界とPROBE法の問題

レポート 2014年10月22日 (水)  池田宏之(m3.com編集部)

日本高血圧学会の総会が10月17日から19日にかけて横浜で開かれた。降圧剤「ディオバン」を巡る論文不正事件を受けて、日本における臨床研究の進め方について、シンポジウムが企画された。ディオバンの論文で用いられた「Prospective Randomized Open Blinded-Endpoint」(PROBE法)について、結果にバイアスのかかりやすい「オープン試験と同じ」と指摘し、二重盲検法の重要性を主張する意見がある一方で、全てのクリニカル・クエスチョンに対して、ランダム化比較試験(RCT)を計画するのは現実的でないなどの限界があることから、観察研究の取り入れの重要性を指摘する声も出た。 不都合な症例が報告されない可能性 臨床研究をテーマとしたのは、17日のワークショップ「最近の高血圧関連大規模臨床試験の読み方」と19日のシンポジウム「臨床研究のあるべき姿」だ。 ディオバンの臨床研究では、試験デザインとしてPROBE法が採用された。オープン試験の場合、エンドポイントを評価する人間が、どちらに割り付けられたかが分かる仕組みのため、エンドポイントを評価する際にバイアスがかかるとされる。...