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ブリストル社、不適切関与、東大の臨床研究に

レポート 2014年10月28日 (火)  池田宏之(m3.com編集部)

ブリストルマイヤーズ社は10月27日、慢性骨髄性白血病(CML)の治療薬「スプリセル(一般名:ダサチニブ)」を巡る臨床研究において、「資金提供なし」と表明しながら、ブリストル社の資金が研究資金となり、医師への謝礼金になった可能性や、不適切な労務提供を認定し、「厚生労働省の臨床研究倫理指針に違反する疑いが強い」とする第三者機関の報告書を公表した。データ改ざんや個人情報の流出などは確認されなかった。 研究の名称は「初発慢性期慢性骨髄性白血病に対するダサチニブの第II相臨床試験」で、目的はダサチニブの有効性と安全性の検討。研究責任者は、東京大学血液・腫瘍内科教授の黒川峰夫氏で、実施は大阪にある黒川氏らが関わる研究会が担った。登録期間は2011年7月1日から2013年6月30日までで、観察期間は投与開始から36カ月間。東京大学が、労務提供や利益相反(COI)の問題で不適切とする調査結果が公表されたことを受けて、ブリストル社が2014年5月に中止となった(『東大、新たに5つの不適切臨床研究、SIGN研究調査』を参照)。 「資金提供ない」は事実でない 調査結果によると、ブリストル社から黒川氏の研究...