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「将来、先生を手伝うからね」と患児◆Vol.8-1

レポート 2014年11月5日 (水)  池田宏之(m3.com編集部)

Q.7では、「医師になって最も良かった、もしくは、うれしかった体験談」を聞いた。患者からの感謝や、上司、同僚の協力、給与の問題まで、幅広い回答が寄せられた。中でも多かったのは、「患者、遺族からの感謝」が約120人、「治療、救命の成功」が約90人、「収入や地位」が約40人。具体的なエピソードも数多く寄せられた。主な回答を、3回に分けて紹介する。 【患者、遺族からの感謝】 ・カリスマ的な人気のあった小児科医の後任として、ある幼児の喘息患者を受け持った。親も過保護で几帳面な人で、入院すると病状説明を毎日1時間は必ずしていた。治療に関しても注文が多く、大変苦労した。その子が小学校に上がった時、転居が決まった。小児科外来で突然卒業証書のような大きな紙を取り出し読み上げた。「今までどうもありがとう。大きくなったら子どもを診る看護師になりたい、そして先生の仕事を手伝うからね」と言ってくれた。そばで母親も看護師も流涙しており、私ももらい泣きしそうになったこと。 ・生命に関わる重症な感染症に罹患した患児が救急外来から入院。当初は原因不明で診断に苦慮したが、画像検査にて診断が確定。経験が乏しく、また外科的...