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「現場のピアレビュー」、阪大の基本 - 中島和江・阪大病院中央クオリティマネジメント部部長に聞く◆Vol.5

インタビュー 2014年11月13日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――2015年10月からスタートする医療事故調査制度では、基準に該当する事例を集め、必要に応じて第三者の立場で調査なども行う、医療事故調査・支援センターの設置が予定されています。こうした体制は構築できるとお考えでしょうか。 既に法律で実施が決められた制度ですから、必ず実行に移されるでしょう。ただし、機能するかどうかは、この制度が何を目的として、どのような事例を対象に、どのように運営されるのかによると思います。 厚生労働省のホームページに最近掲載された、医療事故調査制度Q&A;によれば、この制度の目的は、医療の安全を確保するために、医療事故の再発防止を行うこととされており、「WHOドラフトガイドラインでいうところの非懲罰性、秘匿性、独立性といった考え方に整合的なもの」と書かれています。 この点が明記されたことは評価できます。しかし、本当に安全性の向上に資する制度になるかどうかは、今後の具体的な運営・運用のあり方次第だと思います。例えば、この改正医療法によって、「事故」と呼ばれ「院内事故調査を行うこと」が必須とされる事例がどのようなものか、院内事故調査の後に医療事故調査・支援センターに報告...