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国立大、基礎研究予算減少に危機感

レポート 2014年11月13日 (木)  池田宏之(m3.com編集部)

国立大学医学部長会議と国立大学附属病院長会議は11月12日、合同で記者会見を開き、基礎研究に対する科学研究費が減少し、消費増税や円安によって、実質的な予算が10%減っている点を指摘した上で、科研費減少を食い止め、医療イノベーションを推進するための基盤的研究費の確保などを求める提言を出した。会見の中では、資金不足の結果として、研究の遅れや成果の質低下を指摘する声も紹介され、長期的な科学研究の衰退への危機感を示した。 低下する新規研究の採択割合 会見では、国立大学の科研費を取り巻く環境について、名古屋大学医学部長の高橋雅英氏が説明。現在、医学部や大学病院における医学研究において、(1)科学研究費の減少、(2)消費増税による研究材料と光熱費の高騰、(3)円安による輸入試薬、研究材料の高騰――の問題を抱えていることを紹介し、文部科学省の科研費取得実績などを例示した。 (1)では、文科省科研費のうち、国立大学医学部における新規研究の採択金額を見ると、2012年度は84億1500万円だったのが、2014年度は78億4300万円まで減少。申請金額に対する採択金額の割合を見ても、2014年度は67.1...