1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 1年弱でできたエボラワクチン

1年弱でできたエボラワクチン

オピニオン 2014年11月19日 (水)  外岡立人(医学ジャーナリスト、医学博士)

■エボラ治療の遅れは製薬企業の利益優先姿勢が大きな原因、WHO事務局長 エボラがアフリカのスーダンやコンゴで見つかってから、すでに40年が経過している。 その間、ワクチンや抗エボラウイルス薬の開発は進まなかった。そして今春3月以来、エボラは西アフリカで拡大し、欧米にも感染者が飛び火しはじめた。 そうした中、製薬企業は、最近になって慌てたように治療薬の開発やワクチンの開発に着手した。 これまで市場として儲けにならないアフリカ限定の感染症に世界の製薬企業は関心を抱いてこなかった。しかし、世界に拡大する可能性があるとなると話が違う。市場が拡大し利潤につながるというわけだ。 11月4日、WHOのチャン事務局長は、「利益優先型の製薬企業がアフリカのエボラに関心を抱かなかったことが、未だ治療薬もワクチンもない理由である」と製薬企業の姿勢を糾弾する発言をした。 ワクチンは来年夏にはグラクソ社などから数十万人分製造されるという。本腰を入れてわずか1年足らずである。 でもそれは誰を救うためのワクチンだろうか?支援に向かう海外からの医療担当者や軍隊のために用意されるのだろう。 すでにアフリカでは、この9ヶ...