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米国のような訴訟頻発社会は避けるべき

オピニオン 2014年12月2日 (火)  山本実果(浜松医科大学医学部医学科1年)

2015年10月から施行される医療事故調査制度は、全ての患者および医療者にとって全くの無関係ではいられない重要な制度になると思います。今回、私は将来地域医療を担うこととなる医学生の立場で、11月14日に開催された、この重要な制度の施行に関わる厚生労働省の検討会を傍聴する機会をいただきました。置かれた立場は医療者よりは一般の患者の方に近いけれど、医療者の立場にも理解がある学生として率直な感想を述べたいと思います。 議論の冒頭で橋本岳厚生労働大臣政務官は「システムの機能を増やしすぎると、予期せぬ事態が起こりやすくなり、最悪システムそのものが機能しなくなる可能性がある。医療事故調査制度も医療事故の原因究明と再発防止というシンプルな目的を目指して議論を進めていただきたい」といった発言をなさりました。 一つの制度に複数の機能を持たせることは実質不可能である以上、医療事故調査制度の目的はあくまで医療安全を確保するための原因究明・再発防止であり、責任追及はしない。この制度に責任追及的な側面が生じてしまえば、それは医療安全の確保のための制度というよりも、医療者を罰するための制度のなってしまいかねない。...