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慈恵医大、望月氏の客員教授取消、JHS最終報告

レポート 2014年12月15日 (月)  池田宏之(m3.com編集部)

東京慈恵会医科大学で実施された降圧剤「ディオバン」の臨床研究「Jikei Heart Study」(以下、JHS)について、同大は12月12日に最終報告書を発表した(資料は、同大のホームページに掲載)。2013年7月の中間報告のあと、JHSのイベントを調べたところ、論文の責任著者である望月正武氏の報告イベントのうち約7割が非ディオバン群に偏り、望月氏のイベントを除くと、ディオバン群と非ディオバン群のイベント数が同数となり、Lancetに掲載された論文(撤回済み)の結論が導けないこと分かった(『「科学論文の価値ない」、ランセットJHS論文撤回へ、慈恵医大』を参照)。 望月氏は、恣意性を否定しているものの、研究への信頼性をさらに大きく落とす結果となった。同大は、望月氏の同大客員教授の肩書を取り消した。また、論文に関与し、現在も同大に所属している6人を厳重注意としたほか、理事長は給与の20%、学長は10%を、3カ月間自主返上することとなった。 望月氏報告、非ディオバン群が10倍 中間報告では、利益相反開示の問題や、初回登録時や12カ月後などの血圧が2群間で差がなくなるように操作された可能性が...