1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「事故報告書の4%が捜査の端緒」、容認できるか

「事故報告書の4%が捜査の端緒」、容認できるか

レポート 2014年12月16日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

「現場からの医療改革推進協議会」の第9回シンポジウムが12月13日、東京都内で開催され、「医療事故調査制度」のセッションで、弁護士の井上清成氏は、院内医療事故調査報告書がまとめられた事例の4%が警察介入の契機となったという研究を引用し、「医療事故調査制度では、年間2000件から2500件の報告があると想定されており、うち4%であれば、年80件から100件について警察の捜査が行われることになる。これは医療現場として到底容認できるものではない」と語気を強め、あくまで責任追及を切り離した、医療安全のための制度設計にすべきと訴えた。 井上氏の発言のもとは、12月11日の厚生労働省の「医療事故調査制度の施行に係る検討会」。研究を紹介したのは、浜松医科大学医学部教授の大磯義一郎氏(『医師への懲罰、回避できるかが最大の焦点』を参照)。弁護士の宮澤潤氏は、「4%というわずかな例外をもって、制度全体を考えるべきではない。大多数がどうあるべきかを踏まえ、制度を考えていくのが健全な在り方」と指摘。これに対し、弁護士の田邉昇氏は、4%が警察介入の端緒となることについて、「到底容認できない。医療者は萎縮する。そ...