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「禁忌の認識、欠如」、女子医大の鎮静剤事故

レポート 2014年12月18日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

東京女子医科大学は12月18日、記者会見を開き、小児の人工呼吸中の鎮静用には禁忌のプロポフォール投与後に死亡した事例に関する、外部評価委員会の検証結果報告書を公表した。投与後の死亡例のうち、プロポフォール注入症候群(PRIS)が直接関与した死亡は認められなかったものの、死因と関連した疾患を増悪させた可能性は否定できないという内容だ(報告書は、女子医大病院のホームページに掲載)。 記者会見は、今年2月に死亡した、男児に対する謝罪から始まった。 女子医大病院では、2008年1月から2013年12月までの6年間に、15歳未満の63例に投与され、うち11例が、ICU内もしくICU退室後に30日以内に死亡した。いずれも重症な心疾患、つまり心臓病ICUを利用した事例だ。その死因は、原疾患の心不全、敗血症、多臓器不全など。PRISが直接関与した死亡は認められなかったものの、プロポフォールが、死因に関連した感染症に影響した可能性が否定できなかったのが4例、死因と考えられる心不全に影響した可能性が否定できなかったのが2例、それぞれ認められた(両者の重複が1例あるため、計5例)。 東京女子医大理事長の吉岡...