33の論文不正、元教授ら11人関与、東大分生研

東京大学は12月26日、同大分子細胞生物学研究所の元教授、加藤茂明氏の研究室の論文不正問題に関する最終調査報告を公表、科学的に不適切な図表を含む51の論文のうち、33論文で捏造や改ざんなどの不正行為があり、計11人の不正行為を認定したと公表した（資料は、東大のホームページに掲載）。 同大総長の濱田純一氏は、これらの不正について、「学術の健全な発展を大きく揺るがしたことは誠に遺憾」とし、報酬の10分の1を3カ月返納する。 11人の内訳は、加藤氏をはじめ、計4人の教員。残る7人は筆頭著者。最終調査報告では、研究室の主宰者である加藤氏のほか、中心的な役割を果たしていた、柳沢純氏（元助教授）、北川浩史氏（元特任講師）、武山健一氏（元准教授）の4人による不適切な研究室運営や指導が、不正行為の主因としている。 なお、加藤氏をはじめ、4人とも分生研を既に退職しているが、今年8月の第１次調査報告の時点で、「懲戒処分に相当する可能性があった」と認定されていた（『東大、元教授ら4人の不正行為を認定』を参照）。そのほか、2人も同様に懲戒処分相当の可能性があったと新たに認定された。 33の論文のうち、既に29...