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「革新」と「きずな」に込めた意味 - 井村裕夫・第29回日本医学会総会会頭に聞く◆Vol.2

インタビュー 2015年1月13日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――総会のメーンタイトルは、「医学と医療の革新を目指して―健康社会を共に生きるきずなの構築―」です。このタイトルに込めたお考えをお聞かせください(「第29回日本医学会総会 2015 関西」のホームページはこちら)。 先ほどの話にもつながってきますが、ちょうど今年が戦後のベビーブームで生まれた人が65歳になる年です。多くの人が引退を始めています。しかし、多くの方はまだ元気ですよ。新幹線に乗っていると、この世代の旅行者が非常に多い。それは結構なことですが、やがてその人たちが医療費をたくさん使い、介護も必要になる時代が来ます。2025年になると、この世代が全て75歳以上になりますから、「2025年問題」と言われているわけです。医学、医療のあり方も変えていかないといけない。 高齢者では、やはり予防が一番大事です。病気から予防へ、治療医学から予防医学への切り替えが必要になります。今回の医学会総会では「先制医療」という言葉を使っています。今までは、「適度な運動をする。食べ過ぎないようにする。タバコはいけない」などの集団の予防医学で、全ての人に同じように指導してきました。今後は、個別の予防医学に変え...