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「これでは、僕、捕まっちゃいますよ」◆Vol.6

スペシャル企画 2015年1月16日 (金)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

※大野病院事件スペシャル対談のバックナンバーはこちら ――大野病院事件では、“事故調”や刑事捜査、刑事裁判の在り方など、幾つか検証すべき点があります。 安福 私自身は、この事件で、一番気になったのが、医療事故調査の在り方。(2015年10月から国の制度として)医療事故調査制度が本格的に動き出すわけですが、事故調査の持っている危険性が、医療界でもいまだに十分に理解されておらず、認識されていない感じがする。いかに立派な制度を作っても、今のままでは無駄というのが私の結論。大野病院事件が典型ですが、他でも事故調査がきっかけで、事件が起きたケースがいくらでもあるからです。 先ほども言いましたが、大野病院事件では、検察は(福島県病院局が実施した)「医療事故調査委員会報告書」を、刑事裁判の証拠として出していません。我々が「出すべきだ」と言っても、彼らは「必要ない」と言って出さなかった。それどころか、その中身についても、警察も検察も「興味がなかった」というポーズを取る。「事故調査が刑事事件につながるわけではない」という理屈、建前、大義を守ろうと考えたからでしょう。大野病院を運営していた県の病院局と、福...