テーマは「医学」「医療」「きずな」- 井村裕夫・第29回日本医学会総会会頭に聞く◆Vol.3

――本当に幅広い意味での先制医療が必要になってくる。 そうです。遺伝的な問題も大事ですが、同時に環境、しかも胎生期からの環境が大事。 ――予防医療の幅も広がるため、医師の役割は広がっていく。 今回の医学会総会の特徴の一つは、医学生企画だという。若手の参加を期待する井村裕夫氏。 はい。もちろん病気を治すことも必要ですが、予防医学にもっと関心を持つ医師が増えてほしい。 ――「革新」と「きずな」をベースに、プログラムを「3つのテーマと20の柱」で構成しています。従来は各学会に依頼して、テーマを挙げてもらい、プログラムを作成していたのに対し、今回は違う作り方をされたとお聞きしています（「第29回日本医学会総会 2015 関西」のホームページはこちら）。 それは結局、「なぜ医学会総会が必要か」が絡んでくるわけです。各学会は毎年、総会や学術集会を開いています。それと同じことをやっていたのでは、意味がないでしょう。だから4年に1回の医学会総会は、個々の学会で取り上げないような大きな問題をできるだけ取り上げ、さまざまな分野の方を呼んで議論をしてもらうのが、目的だと私は思います。 では、なぜ日本で医学会...