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いまだ続く「事故調査から捜査」◆Vol.9

スペシャル企画 2015年1月23日 (金)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

※大野病院事件スペシャル対談のバックナンバーはこちら 安福 事故調査が刑事事件に発展した例は、例えば、(2001年に起きた)東京女子医大事件。(業務上過失致死罪に問われた)佐藤一樹先生が、院内調査が間違っていると問題視している。最近の例は、神奈川県立がんセンター。院内調査、外部委員を入れた調査により、結局1人の麻酔科医の刑事責任を追及する機会を与えてしまった(編集部注:2008年4月の医療事故で、麻酔科医が、業務上過失致傷罪に問われた事件。判決は2013年9月(『神奈川県立がんセンター麻酔事故、医師に無罪判決、横浜地裁』を参照)。例えば、神奈川県立がんセンターの事件では、まさに院内事故調査委員会の報告書が、一人の麻酔科医の起訴までつながりました。 結果的に無罪になり,良かったのですが、無罪判決後の説諭の中で、裁判所がすごいことを指摘しているのです。 僕は法廷で聞いていて驚いたのだけど、判決言い渡しの後に裁判長が、「この際、検察官に申し上げたいことがあります。本件では捜査が不十分であるにもかかわらず、検察官は証拠を精査、吟味することなく起訴したのではないかという疑問が残る。今後、このよう...