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検察、最後までクーパーにこだわる◆Vol.11

スペシャル企画 2015年1月28日 (水)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

※大野病院事件スペシャル対談のバックナンバーはこちら ――警察や検察は「クーパーを無理に使って、胎盤をはがした」という考えだった。 安福 弁護団は最初、「(胎盤を子宮からはがす際に)クーパーを使う新しい術式について、論文として出そうとした。要するに実験をやった。しかし、失敗をした」という組み立ての捜査をしているように受け止めていました。 断定はできませんが、福島県警の捜査本部に、警視庁から派遣された医療に大変明るい警察官がいて、その人が青戸(2002年の東京慈恵会医科大学青戸病院(現葛飾医療センター)の前立腺癌の腹腔鏡下手術事故)の捜査にかかわった中核的な人だった。このときの腹腔鏡下手術も実験的と言われており、途中で開腹手術に切り替えるべきところ、それが遅れたために、医師が刑事責任を問われた。この事件を念頭に置いて、証拠集めをしているのではないか、それがクーパーにこだわっている理由ではないか、と我々弁護人は感じていたのです。 (第2回公判で証言した)加藤(謙一)先生の検面調書にも、「(癒着胎盤を子宮から剥離する際に)クーパーを使うなんて、とんでもない」となっている。けれども、法廷に出て...