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腹腔鏡手術リスク、開腹より高いとは言えず

レポート 2015年1月16日 (金)  高橋直純(m3.com編集部)

群馬大学医学部付属病院で肝臓の腹腔鏡手術を受けた患者8人が死亡した問題を受け、日本外科学会と日本消化器外科学会は1月15日、「NCDデータを用いた全国消化器外科領域腹腔鏡手術の現況に関する緊急調査結果(速報)」を公表した。 その結果、腹腔鏡手術のリスクが開腹手術に比べて高いというエビデンスは得られないことなどが明らかになった。例えば、肝切除術(外側区域を除く1区域以上)では、術後90日以内の手術に起因する死亡率は、全体では3.69%で、開腹手術では3.76%、腹腔鏡手術では2.27%だった。 調査は、日本外科学会をはじめ、計10学会で組織する一般社団法人National Clinical Databaseが構築する手術症例のデータベースを使った。会見した日本外科学会の国土典宏理事長は、「腹腔鏡手術への希望が増えてきているが、昨今残念な事件があった。プロフェッショナルオートノミ―として、どのような対策が取れるかを検討した。その中で手術の95%をカバーしているデータベースを使って、まずは実態を調べ、日本の全体像を速報という形で報告する」と説明。 2011年から2013年に登録された手術デー...