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新専門医制度、内科には不利に働く懸念

オピニオン 2015年1月17日 (土)  森田麻里子(仙台厚生病院麻酔科)

2017年度から始まる新内科専門医制度について、昨年末に内科学会から研修カリキュラム案が公開されるなど、徐々に概要が明らかになっている。これまでは初期研修を終えた後、1年の研修で内科認定医を取得し、その後、約4年で各サブスペシャリティの専門医資格を得るのが一般的であった。しかし、新制度では初期研修終了後3年の研修で内科専門医を取得し、さらに研修を積んでサブスペシャリティの専門医資格を得ることになる。 各専門医の位置づけを明確にする意義は理解できるが、その結果、専門医制度に歪みが生じるのも確かだ。例えば外科では、現行の制度が新制度のコンセプトと一致しているため、現在の専門医はほぼ自動的に新専門医に移行する方向となっている。一方、内科では内科専門医という資格が新設され、現在の内科認定医は内科専門医に自動的に移行することができない。各病院にとって直近の問題は、いずれ後期研修プログラムの認定要件として内科専門医の在籍が条件となるということだ。そうなると、内科専門医の人数が足りないために、後期研修医を採用できなくなる施設がでてくる。「部長レベルの医師は忙しく、ずっと専門分野をやっているから、今さ...